決算書ってそもそも何のためにあるの?
というのが今回の話です。
まず、決算書とは
「会社の成績表のようなもの」
というイメージは持っていらっしゃるのではないでしょうか。
どのようにして作られるかをイメージできるように、 これから説明します。
次の図を見てください。
①会社は1年間を通して営業活動を行います。
②そしてその活動をする中でお金についての記録します。
→ これが「簿記」で仕訳というものがその記録です。
③この記録をまとめるて集計します。
→ これをもとに「決算書」が作られています。
決算書が作られる流れはまあこんな感じです。
ではそもそも、「決算書」は何のために作られるのでしょうか。
利害関係者への報告
ネットの辞書サイトで「決算書」という言葉で調べてみると、
「財務諸表」のページへ飛ばされます。
つまり「決算書」と「財務諸表」は同じ意味と思ってもらって結構です。
そこでは何と定義されているかというと、
大辞林 第三版 (三省堂)のサイトでは
企業の財政や経営状態を,利害関係者に報告する目的で作成される各種の計算書類。貸借対照表・損益計算書・剰余金計算書・キャッシュ-フロー計算書など。
と定義されています。
財務諸表、つまり決算書は会社法という法律で、
その会社が決算のたびに作成しなければならないと義務付けられています。
ある会社に投資しようか投資しまいかと考えている投資家や、
ある会社にお金を貸すか貸さないかと考えている銀行が、
その投資や融資をするかしないかの判断をする際に
まずその会社の経営状態を見たいわけです。
しかし、その経営状態を表した書類の作り方が
会社によってバラバラだと 正しい判断ができませんよね。
相撲の力士とプロレスのレスラーはどっちが強いか?
みたいな話になってきます。
土俵やルールが違うとどっちが強いかわかりませんよね。
すべての会社が、
ある一つの基準やルールに従って決算書が作成されることによって、
同じ土俵で比べることができるようになります。
つまり、ルールに基づいた決算書を見ることによって、
その会社の経営状態が分かりやすくなります。
そして、同じ基準に並ぶことで初めて比較することができるようになります。
ある会社が他の会社に比べてどこが良いのか
またどこが悪い部分のか、比較がしやすくなりますよね。
そのため法律によって会社ごとに決算書を作るように決められているのです。
これは日本だけではなくて国際的にもそのようになっていて、
国際的な会計の基準もできたりして、
日本もそれに合わせる方向で来ています。
投資などは世界規模で行われますからね。
国によってバラバラな基準だったら困るわけです。
税金の計算をするため
加えて、日本の場合、税金の計算をする際にも決算書が使われています。
まず会社が決算期を迎えたら決算が行われて、
最終的な利益が確定されます。
その際できるのが決算書ですが、 その決算書の利益の額を元にして、
法人だったら法人税法のルールに従って、
利益のプラス、マイナスの調整が行われます。
そして、税金の世界での利益の金額というものが導き出されて、
これに税率をかけることで税金が計算されます。
決算書の一番大事な目的
これまで説明した
- 利害関係者への報告
- 税金の計算
というのは、法律で決められている話でした。
銀行に決算書を出さないといけないから、
とか、
税金の計算をしないといけないから
とかで、
仕方なく作っている場合も多いです。
そういう会社は実際多いのですが、
それだけのために作るのは実はもったいないのです。
決算書は何のためにあるのか?
最も大事な目的は、 自分の会社の業績を知るため。
「月次決算」という言葉があるように、 毎月決算をするのです。
「今月やってうまく行ったことを来月さらに進めていこう。」 とか、
「今月これをやったけど、うまく行かなかった。
じゃあ、来月は違う方法で、、、」 とか、
毎月、毎月、細かく軌道修正をすることができるようになります。
もし年1回の決算でしか会社の正しい成績が分からない場合はどうでしょうか。
うまく行っているのか、行っていないのか
正確に分かるのが1年後 ということです。
会社の決算書は健康診断書によく例えられます。
健康診断を行っても、診断書が手元に来るのが1年後だったりしたら、
症状はさらに進んでいるかもしれません。
健康診断の結果、すぐに入院して手術が必要かもしれません。
毎月自社の健康状態をチェックしていれば、
病気がひどくなる前に早期発見できて
薬でなんとかなるかもしれません。
なので自社の健康状態は、毎月確認できる体制を整えるべきです。
そのためにも月次決算を行って、
ざっくりとでもいいので毎月の決算書を作成した方がよいでしょう。
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