エクセルの$マークの意味は初心者の方はなかなか理解できないようです。
逆にあなたがエクセルの初心者で、$の意味を調べようとここへ辿り着いたなら、
おめでとうございます^^
エクセルのスキルをワンランクアップさせるチャンスです。
$はエクセルのある素晴らしい機能を使いこなすことに欠かせないからです。
それは相対参照・絶対参照という機能。
この機能を使うと作業効率が一気にアップします。
逆にこの機能を使わないならエクセルの恩恵の半分も受けていないといえます。
ぜひ理解して使いこなせるようになってください。
エクセルの$の意味
$どいえば通貨のドルマークですが、エクセルの世界では$は通貨とは一切関係ありません。
結論からいうと、$は”固定”という意味です。
エクセルの世界では図のように”行”と”列”という概念があります。
そしてエクセルの世界ではセルを参照するときには、
行方向を数字、列方向をアルファベットを使って表します。
エクセルの$の使いかた
たとえば掛け算の九九を例にとるとわかりやすいです。
このように1~9までの数字を行と列にそれぞれ配置されているとします。
1の段を作るなら、
B2のセルに=A2×B1、
B3のセルに=A3×B1
同じように、
2の段なら、
C2のセルに=A2×C1、
C3のセルに=A3×C1
と順番に数式を作っていけば九九はできあがります。
とまあ、1の段から9の段まで手入力していってもいいのですが、
ここはエクセルの真骨頂、B2のセルに一回だけ数式を作って、
あとはその他のセルにコピーしていくだけで、
エクセル側が参照する位置を勝手にズラしてくれます。
どういうことかというと、
まずB2のセルに掛け算の1×1を意味する=A2*B1という数式を入れます。
あとはこのセルを下方向にコピーしていくと、
セルが下にズレると同時に、勝手に行を表す数字が一つづつ増えていってますね。
これが相対参照。
同じように横方向にもコピーすると、
よくみると、ヨコ方向’(→)にズレると同時に
アルファベットもA→B→C→・・・と、一つずつズレて行ってますよね。
このようにエクセルの世界ではセルをコピーすると
コピー元が参照していた位置(方向と距離)を
コピーした先でも同じ位置(方向と距離)を参照します。
つまり相対的に参照するということ。
これが相対参照です。
しかし、相対的に参照したくない場合があります。
この掛け算の例がそうです。
このままだと、図のようになってしまいます。
1の段はB1を、2の段はC1を・・・と1行目を固定したいところです。
この固定したいところに$マークをつけることで、
相対的に位置をズラさないで固定的に参照してくれるようになります。
具体的には
列を固定したい場合は、アルファベットの前に$をつける($A1)
行を固定したい場合は、数字の前に$をつける。(A$1)
両方固定したい場合、つまり常に同じ場所を参照させたい場合は、
アルファベットの前と数字の前、両方に$を付けます。($A$1)
では九九の例でやってみましょう。
1の段ではA2~A10はずらしたいですが、B?の部分は1行目に固定にしたいので、
セルB2に”=A2*B$1”
と入れて見ましょう。(B1の1の前に$マーク)
みごとに、すべての行でセルB1だけを参照してくれました。
同じように列方向でも考えます。
A列だけを参照して欲しいので、
もう一度B2のセルの数式をやり直します。
セルB2に”=$A2*B$1”
と入れましょう。
こんどはアルファベットAの前にも$マークを入れました。
今度は表全体にコピーしてみます。
ちゃんと黄色の部分が固定されていますね。
九九も完成です。
このように相対参照・絶対参照の機能があるおかげで
表計算の威力が発揮され時間短縮に大きな力を発揮してくれます。
掛け算の九九だったら10秒ぐらいで完成できます。
仕事上ですともっと大きい表を使う場面が出てくると思いますので、
ぜひ使いこなせるようになっておきましょう。
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