業務で使っているExcelを直したいのに、シートやブックがパスワードで保護されていて触れない。前任者はもう退職している。作った本人がパスワードを忘れてしまった――よくある話です。
まず知っておきたいのは、Excelの「パスワード」には種類が2つあって、解除できるかどうかがまったく違うということです。
解除できるもの・できないもの
| 種類 | どんなとき | 忘れたら |
|---|---|---|
| シートの保護・ブックの保護 | 開けるが、セルの編集やシートの追加ができない | 自分で解除できる |
| 読み取りパスワード(暗号化) | ファイルを開く時点でパスワードを求められる | 基本的に解除できない |
「シートの保護」は、うっかり書き換えを防ぐための仕組みで、強い鍵ではありません。一方、ファイルを開くときのパスワードはファイル全体を暗号化しているため、パスワードがなければ中身は取り出せません。
シートの保護を解除する方法(ツール不要)
今のExcelファイル(.xlsx)の正体は、複数のファイルをまとめたZIPです。中の設定ファイルから「保護」の記述を消すと、保護が外れます。
- ファイルのコピーを作る(失敗に備えて、必ずコピーで作業します)
- 拡張子を「.xlsx」から「.zip」に変える(拡張子が見えない場合は、エクスプローラーの「表示」で「ファイル名拡張子」をオン)
- ZIPを展開し、
xl\worksheetsフォルダを開く - 保護されているシートのファイル(sheet1.xml など)をメモ帳で開く
<sheetProtectionで始まる部分を、/>まで丸ごと削除して保存- 展開したフォルダの中身を選んでZIPに圧縮し直し、拡張子を「.xlsx」に戻す
これでExcelで開くと、シートの保護が外れています。ブックの保護(シートの追加・削除ができない状態)の場合は、xl\workbook.xml の中の <workbookProtection 〜 /> を同じように削除します。
古い形式(.xls)の場合
拡張子が「.xls」の古いファイルはZIP形式ではありません。一度Excelで開き、「名前を付けて保存」で「Excelブック(.xlsx)」にしてから、上の手順を行ってください。
開くときのパスワードを忘れた場合
Excel 2013以降の暗号化はとても強く、パスワードを推測して総当たりで試す以外に方法がありません。「解除できる」とうたう有料ソフトも、実際には総当たりで、短く単純なパスワードでなければ現実的な時間では終わりません。
- OneDriveやメールなどに、パスワードをかける前の版が残っていないか探す
- 作成者や関係者に、パスワードのメモが残っていないか確認する
- どうしても必要なデータなら、作り直しも含めて検討する
これからの対策
- パスワードはパスワード管理アプリに記録する(個人なら無料のKeePassXCなど)
- 業務ファイルは、個人の記憶ではなく、会社として管理できる場所に控えを残す
- 書き換え防止が目的なら、パスワードより「保護(パスワードなし)」や、SharePoint・OneDriveの権限設定で十分なことも多い
※ この方法は、自分や自社に権限のあるファイルに使ってください。














この記事へのコメントはありません。